あーあ、何で僕は君を泣かしてばっかりなんだろうね。僕だって泣かしたくて泣かしているわけじゃないんだよ?うそ、って酷いなぁ。こうみえても僕、意外と繊細だからそんな事言われたら傷つくんだから。でもね、千鶴。本当の事だと思わない?君、人を斬り殺したこととかないでしょう?僕はね、冗談じゃなくて新選組で一番人を斬っていると思うよ。…あぁ、もしかしたら一君かもしれないけれど。そんな僕が君と同じ処に行こうなんてこと思っちゃいけないんだよ。後悔はしていないけれど、君を置いていくのは怖いなぁ。あれ、意外?僕が“怖い”って思うのが。僕だって人間…羅刹って人間なのかな…まぁいいや。人間でも、人間じゃなくても君はいつもどっか抜けているし、朝寝坊も時折するし。あれ、意外。置いていかないで、って言わないの?まぁ、そんなこと言われても僕が君を置いていくのは変わらないんだけどさ。……ねぇ、そんなに泣いて疲れない?まぁ、泣かせているのは僕なんだけれどさ。いい加減、君も慣れればいいのに。

ああ、ほら。いい加減泣きやんでよ。僕の袖が君の涙を吸いすぎて重くなってきたんだから。それにね、いくら泣いたって、もう僕は君を手放してあげないんだから。

酷い男、そういって罵ってくれる?





(そうしたら、楽なのに)
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