弱虫な僕は(ミステリアス番長)

昔からどこかぼんやりとしていたような気がする。自然が好きで、観察するのがすきだった。自分の周りにある全てのものが愛しかった。けれどそれはどうやら周りからすると可笑しなもののようにだった。何故そんなことを疑問に思うかすらもわかってもらえない。そんな矛盾。けれどそれすらどうでもよくなったのを覚えている。たった一人、夜空を見上げているだけで全てがどうだって思えるようなそんな気がしたのだ。・・・・・・昔は。
「ミスティさん?」
自分の腕の中の暖かい体が身じろぐ。
「動いてはいけないよ」
柔らかく注意をすればほんの少しだけ戸惑ったような顔をしてから彼女は素直におとなしくなった。もしかしたら、ずっと欲しかったのかもしれないと思ったのはつい最近だ。きっと自分は、一緒に空を見上げられる人が欲しかった。どんなミスティでも笑顔で受け入れてくれる人を探していたのだと気がついたのはつい最近のこと。


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